Our Story
Molino Campo Nobleへようこそ。
私たちの物語は、2019年に始まりました。
すべては東京のメキシカンレストランでの出来事でした。いつものようにタコスをオーダーし、その一口を食べた瞬間、私たちは気づいたのです。それは、私たちがメキシコで食べたタコスとはまったく異なっていたのです。
何が違うのか、その違いはどこにあるのか?
その答えは、トウモロコシにありました。その夜に食べたタコスにはトウモロコシの特有の味、香り、質感がしませんでした。それは、トウモロコシのトルティーヤではなく、マサ粉とよばれるトウモロコシ粉のトルティーヤを使用したものでした。
私たちはメキシコでは「hijos del maíz」と呼ばれ、トウモロコシへの深い絆を持つ人々として誇りを持っています。
そこからラテンアメリカにおけるトウモロコシの歴史、農業、食文化、宗教などを調べました。トルティーヤは4000年前から作られていること、ニシュタマリゼーションという方法によって栄養価が高くなること、トウモロコシを通してメキシコで暮らしていた時よりも遥かに多くのメキシコの歴史を学びました。
そして、この旅の中で、現代のトウモロコシに関する問題に気付いたのです。現代のトウモロコシは世界中で大量に生産され、害虫に対する抵抗力を持つ遺伝子組み換え品種が多数存在しています。しかし、これは伝組み換えでない在来種トウモロコシを栽培する農家にとって深刻な経済的困難をもたらしています。在来種は大量生産の遺伝子組み換えトウモロコシと競争できないため、農家は遺伝子組み換え品種に切り替えざるを得なくなりました。市場競争のため、彼らは在来品種を低価格で売却せざるを得ず、結果としてメキシコでは60以上の在来品種が絶滅の危機に瀕しているのです。
こうした歴史的背景と、先住民の農業コミュニティに対する関心を胸に、Molino Campo Nobleのアイデアが誕生しました。私たちは、日本で100%の在来種メキシコトウモロコシを使用してトルティーヤを作たい。彼らのの農家をサポートし、日本に本当のメキシコ文化を広めたい。
私たちは日本初の100%在来種トウモロコシトルティーヤ製造を行うトルティジェリアを作る事を決めました。手動のグラインダーですり潰しハンドプレスで作った初めてのトルティーヤはなんとも歪な形でした。
しかし、最初の一口を食べた瞬間、私たちは愛するメキシコを思い出しました。灼熱のメキシコの太陽、家族が集まる笑い声、午後の賑やかな広場、そして心地よいマリアッチの音楽。すべてが私たちの口の中でよみがえってきました。私たちのメキシコがここにありました。
メキシコから遠く離れ日本にいる友人達へ、感じて欲しい。私たちのメキシコがここにあることを。思い出して欲しい、私たちはいつでもどこでもトウモロコシの子供であることを。
メキシコを愛する友人達へ、感じて欲しい。この一枚のトルティーヤに込められたストーリーを、私たちの歴史を、文化を。初めてその一口を味わった瞬間、あなたに新しさと同時に懐かしさが押し寄せるでしょう。
そして、その瞬間から、あなたも「hijos del maíz(トウモロコシの子供たち)」となるのです。
Molino Campo Noble
私たちの旅は一枚のトルティーヤから始まります。
"Anytime, anywhere, somos hijos del maíz"